図は三相3線式高圧電路に変圧器で結合された変圧器低圧側電路を示したものである。低圧側電路の一端子にはB種接地工事が施されている。この電路の一相当たりの対地静電容量をCとし接地抵抗を \(R_{B}\) とする。
低圧側電路の線間電圧200V,周波数50Hz, 対地静電容量Cは0.1 µFとして、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、
(ア) 変圧器の高圧電路の1線地絡電流は5Aとする。
(イ) 高圧側電路と低圧側電路との混触時に低圧電路の対地電圧が150Vを超えた場合は1.3 秒で自動的に高圧電路を遮断する装置が設けられているものとする。
接地抵抗 \(R_{B}\) の抵抗値を100としたときに、 \(R_{B}\) に常時流れる電流 \(I_{B}\) の値 [mA] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。ただし、記載以外のインピーダンスは無視するものとする。
図はタップで拡大できます。
回答を選ぶ
選択肢を押すと、すぐに結果が表示されます。
要点
正解は(1)。非接地低圧側で人が触れたときの電流は、対地静電容量による漏れ経路と人体抵抗の関係で決まります。等価回路から電流を切り分けます。
詳細解説
この問題では、低圧側の対地静電容量を通る漏れ電流と、人体抵抗を通る電流を等価的に整理します。
低圧側(非接地方式、ただし1端子B種接地)の対地静電容量を通じた漏れ電流を求めます。
200V三相3線式で、1端子が接地されている場合、他の2相の対地電圧は線間電圧相当(200V)になります。
対地充電電流の合計値 \(I\) は、以下の式で求められます(\(V\)は線間電圧)。
\[ I = \sqrt{3} \omega C V \]
\[ I = \sqrt{3} \times (2\pi \times 50) \times (0.1 \times 10^{-6}) \times 200 \]
\[ I \approx 1.732 \times 314.16 \times 2 \times 10^{-5} \]
\[ I \approx 10.88 \times 10^{-3} \text{ A} \approx 11 \text{ mA} \]
\(R_B\) (100\(\Omega\)) は静電容量のインピーダンス(約30k\(\Omega\))に対して十分に小さいため、電流値はほぼ静電容量で決まります。
よって正解は(1)です。接地設備の保安では、接地抵抗値だけでなく、非接地低圧回路の対地静電容量を通る電流も感電電流の評価に効きます。