図は、線間電圧 \(V\) [V]、周波数 \(f\) [Hz] の中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路及びある需要設備の高圧地絡保護システムを簡易に示した単線図である。
高圧配電線路一相の全対地静電容量を \(C_1\) [F]、需要設備一相の全対地静電容量を \(C_2\) [F] とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、図示されていない負荷、線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。
図の配電線路において、遮断器が「入」の状態で地絡事故点に一線完全地絡事故が発生し地絡電流 \(I_g\) [A]が流れた。このとき \(I_g\) の大きさを表す式として、正しいものを次の(1)〜(5)のうちから一つ選べ。
ただし、間欠アークによる影響等は無視するものとし、この地絡事故によって遮断器は遮断しないものとする。
図はタップで拡大できます。
回答を選ぶ
選択肢を押すと、すぐに結果が表示されます。
-
(1)
\(\dfrac{2}{\sqrt{3}}V\pi f\sqrt{C_1^2+C_2^2}\)
-
(2)
\(2\sqrt{3}V\pi f\sqrt{C_1^2+C_2^2}\)
-
(3)
\(\dfrac{2}{\sqrt{3}}V\pi f(C_1+C_2)\)
-
(4)
\(2\sqrt{3}V\pi f(C_1+C_2)\)
-
(5)
\(2\sqrt{3}V\pi f\sqrt{C_1C_2}\)
要点
正解は(4)。中性点非接地方式の一線地絡電流は、配電線路側と需要設備側の全対地静電容量の和から求めます。相電圧と三相分の静電容量電流を対応させることが要点です。
詳細解説
この問題では、全対地静電容量 \(C_1+C_2\) を通る三相分の充電電流として、一線完全地絡電流を式にします。
一線地絡電流 \(I_g\) は、全対地静電容量 \(C = C_1 + C_2\) を通して流れます。
\[ I_g = 3 \times 2\pi f C \times \dfrac{V}{\sqrt{3}} = \sqrt{3} \times 2\pi f V (C_1 + C_2) = 2\sqrt{3}\pi f V (C_1 + C_2) \]
したがって、(4)が正解です。
図では配電線路側と需要設備側の対地静電容量が分かれているため、どちらの容量を合算するかを読み取ることが重要です。中性点非接地方式の地絡保護では、この静電容量電流が保安上の検出対象になります。