問題文
次の文章は、電子レンジに内蔵されてマイクロ波を発生する、マグネトロン内の電子の軌跡を簡略化して説明した記述である。
図に示すように、真空中の平行平板電極間に直流電圧を加えて平等電界 \( E [\mathrm{V/m}] \) を作り、平等電界と直交する方向に磁束密度 \( B [\mathrm{T}] \) の平等磁界を加えた。図中の \(\odot\) は \( z \) 軸の正の向きで、紙面に垂直かつ手前の向きを表す。
陰極上の点Pに初速零で電荷 \( -e [\mathrm{C}] \) の電子を置いて静かに離すと、\( y \) 軸の (ア) の向きの電界により電子は陽極に向かって動き始める。同時に電子は磁束密度に (イ) した大きさの (ウ) 力を受ける。磁界は \( z \) 軸の (エ) の向きのため、電子は電界と磁界の作用で \( x \) 軸の正の向きに移動する。このとき磁束密度が一定値以上では電子は陽極に到達せずに、図のように (オ) といわれる軌跡を描く。ただし、電子は紙面と平行な平面上を移動し、重力の影響は無視できるものとする。
上記の記述中の空白箇所(ア)~(オ)に当てはまる組合せとして、正しいものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
図はタップで拡大できます。
選択肢
電子(負電荷)が陽極(+y方向)へ動くため、受ける電気的な力は+y方向である。\( \vec{F} = q\vec{E} = -e\vec{E} \) より、力が正ならば電界 \( E \) は負の方向((ア)は「負」)。
磁界から受ける力はローレンツ力((ウ))であり、その大きさ \( F = evB \) は磁束密度 \( B \) に比例する((イ))。
電子が+y方向に動き出した直後、+x方向に曲げられている。ローレンツ力の向きは \( \vec{F} = -e(\vec{v} \times \vec{B}) \)。
\( \vec{v} \) が+y方向、\( \vec{F} \) が+x方向であるためには、\( -e (\vec{j} \times \vec{B}) \) が+x成分を持つ必要がある。
\( -e < 0 \) なので、\( \vec{j} \times \vec{B} \) が-x方向を向けばよい。
\( \vec{j} \times (-\vec{k}) = -\vec{i} \) なので、\( \vec{B} \) は負のz方向(紙面奥向き)である必要がある((エ)は「負」)。
この軌跡はサイクロイドと呼ばれる((オ))。