問題文
図(※省略)は、電圧 6600 [V]、周波数 50 [Hz]、中性点非接地方式の三相3線式配電線路及び需要家Aの高圧地絡保護システムを簡易に表した単線図である。次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、図で使用している主要な文字記号は付表のとおりとし、\( C_1 = 3.0 \) [μF]、\( C_2 = 0.015 \) [μF] とする。なお、図示されていない線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。
【付表】
\( C_1 \): 配電線路側一相の全対地静電容量
\( C_2 \): 需要家側一相の全対地静電容量
ZCT: 零相変流器
I> GR: 地絡継電器
CB: 遮断器
図のような高圧配電線路に接続される需要家が、需要家構内の地絡保護のために設置する継電器の保護協調に関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
なお、記述中「不必要動作」とは、需要家の構外事故において継電器が動作することをいう。
図はタップで拡大できます。
選択肢
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(1)
需要家が設置する地絡継電器の動作電流及び動作時限整定値は、配電用変電所の整定値より小さくする必要がある。
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(2)
需要家の構内高圧ケーブルが極めて短い場合、需要家が設置する継電器が無方向性地絡継電器でも、不必要動作の発生は少ない。
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(3)
需要家が地絡方向継電器を設置すれば、構内高圧ケーブルが長い場合でも不必要動作は防げる。
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(4)
需要家が地絡方向継電器を設置した場合、その整定値は配電用変電所との保護協調に関し動作時限のみ考慮すればよい。
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(5)
地絡事故電流の大きさを考える場合、地絡事故が間欠アーク現象を伴うことを想定し、波形ひずみによる高調波の影響を考慮する必要がある。
**保護協調の記述**
1. 正しい。需要家構内の事故で変電所を遮断させないよう、需要家側は変電所より早く、低感度で(実際には確実に動作する範囲で)動作させる必要があります。
2. 正しい。構内ケーブルが短い場合、外部事故時の充電電流(流出電流)が小さいため、無方向性でも不必要動作しにくいです。
3. 正しい。地絡方向継電器(DGR)は電流の方向(位相)を判別するため、ケーブルが長く充電電流が大きくても、外部事故と内部事故を区別できます。
4. **誤り**。DGRを使用する場合でも、動作電流(零相電流)の整定値は重要です。必要な感度を持たせつつ、配電用変電所の設定や他の保護機器との協調を考慮する必要があります。「動作時限のみ考慮すればよい」という記述は誤りです。
5. 正しい。配電線の地絡事故はアーク地絡が多く、高調波成分を含むため、これを考慮した継電器や整定が必要です。