電気事業者から供給を受ける、ある需要家の自家用変電所を送電端とし、高圧三相3線式1回線の専用配電線路で受電している第2工場がある。第2工場の負荷は2000 \([ \text{kW} ]\)、受電電圧は6000 \([ \text{V} ]\) であるとき、第2工場の力率改善及び受電端電圧の調整を図るため、第2工場に電力用コンデンサを設置する場合、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、第2工場の負荷の消費電力及び負荷力率(遅れ)は、受電端電圧によらないものとする。
第2工場の受電端電圧を6300 \([ \text{V} ]\) にするために設置する電力用コンデンサ容量 \([\text{kvar}]\) の値として、最も近いものを次の1~5のうちから一つ選べ。
ただし、自家用変電所の送電端電圧は6600 \([ \text{V} ]\)、専用配電線路の電線1線当たりの抵抗は0.5 \([\Omega]\) 及びリアクタンスは1 \([\Omega]\) とする。
また、電力用コンデンサ設置前の負荷力率は0.6(遅れ)とする。
なお、配電線の電圧降下式は、簡略式を用いて計算するものとする。
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要点
正解は(4)。送電端電圧 \(V_S = 6600\) V、受電端電圧 \(V_r = 6300\) V。電圧降下 \(\Delta V = V_S - V_r = 300\) V。
詳細解説
送電端電圧 \(V_S = 6600\) V、受電端電圧 \(V_r = 6300\) V。
電圧降下 \(\Delta V = V_S - V_r = 300\) V。
電圧降下近似式 \(\Delta V \approx \dfrac{P R + (Q - Q_C) X}{V_r}\) (\(V_r\)を分母とする場合)
\(P = 2000\) kW
元の力率 \(\cos\theta = 0.6\) より \(\tan\theta = 0.8/0.6 \approx 1.333\)
\(Q = P \tan\theta = 2000 \times 1.333 = 2667\) kvar
抵抗 \(R=0.5\)、リアクタンス \(X=1.0\)。
式に代入(単位に注意、分子はkW・\(\Omega\)等のためそのままで良い):
\(300 = \dfrac{2000 \times 0.5 + (2667 - Q_C) \times 1.0}{6.3}\)
\(300 \times 6.3 = 1000 + 2667 - Q_C\)
\(1890 = 3667 - Q_C\)
\(Q_C = 3667 - 1890 = 1777\) kvar
最も近い値は 1800 kvar。
電力用コンデンサの施設では、力率改善後の無効電力と受電端電圧の変化を同時に見る必要があります。ベクトル図では \(Q\) から \(Q_C\) を差し引いた残りの無効分を読み取り、電圧降下式では抵抗分とリアクタンス分の寄与を分けるのが決め手です。