図のようなV結線電源と三相平衡負荷とからなる平衡三相回路において、\( R=5~\Omega \)、\( L=16~\text{mH} \) である。また、電源の線間電圧 \( e_{a} \) [V] は、時刻 \( t \) [s] において \( e_{a}=100\sqrt{6}\sin(100\pi t) \) [V] と表され、線間電圧 \( e_{b} \) [V] は \( e_{a} \) [V] に対して振幅が等しく、位相が120°遅れている。ただし、電源の内部インピーダンスは零である。このとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
点線部を接続することによって同じ特性の3個のコンデンサを接続したところ、\( i_a \) の波形は \( e_a \) の波形に対して位相が30°遅れていた。このときのコンデンサ \( C \) の静電容量の値 [F] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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要点
正解は(2)。コンデンサ接続後の力率改善 \( e_a \)(線間電圧 \( V_{ab} \))を基準とします。通常、相電圧 \( V_a \) は \( V_{ab} \) より 30° 遅れます。
詳細解説
電源周波数は \( \omega = 100\pi \) rad/s より \( f=50 \) Hz。
誘導性リアクタンス \( X_L = \omega L = 100\pi \times 16 \times 10^{-3} \approx 314 \times 0.016 \approx 5.02 \, \Omega \)。計算を簡単にするため \( X_L = 5 \, \Omega \) とします。
負荷の1相あたりのインピーダンス \( Z = 5 + j5 \, \Omega \)、大きさ \( |Z| = 5\sqrt{2} \, \Omega \)。
線間電圧の実効値 \( V_l = \dfrac{100\sqrt{6}}{\sqrt{2}} = 100\sqrt{3} \) V。
コンデンサ接続後の力率改善
\( e_a \)(線間電圧 \( V_{ab} \))を基準とします。
通常、相電圧 \( V_a \) は \( V_{ab} \) より 30° 遅れます。
負荷電流 \( I_L \)(相電流)は、インピーダンス角 \( \phi = \tan^{-1}(5/5) = 45^\circ \) だけ \( V_a \) より遅れます。
よって、\( I_L \) は \( e_a \) より \( 30^\circ + 45^\circ = 75^\circ \) 遅れています。
問題文の条件「\( i_a \)(線電流)が \( e_a \) に対して30°遅れ」にするということは、\( i_a \) の位相を相電圧 \( V_a \) と同相にする(力率を1にする)ことを意味します。(\( V_a \) は \( e_a \) より30°遅れのため)。
つまり、コンデンサによって負荷の無効電力を完全に打ち消す必要があります。
負荷の無効電力 \( Q_L = P \tan \phi = 3000 \times \tan 45^\circ = 3000 \) var。
コンデンサ(\( \Delta \) 結線)が供給すべき無効電力 \( Q_C = 3000 \) var。
\( \Delta \) 結線コンデンサの無効電力は \( Q_C = 3 \omega C V_l^2 \)。
\( 3000 = 3 \times (100\pi) \times C \times (100\sqrt{3})^2 \)
\( 1000 = 100\pi \times C \times 30000 \)
\( 1 = 3000\pi C \)
\( C = \dfrac{1}{3000\pi} \approx \dfrac{1}{9424} \approx 1.06 \times 10^{-4} \) F。
最も近い値は \( 1.1 \times 10^{-4} \) です。
V結線回路では、線間電圧の位相差を図の相順どおりに読み、負荷インピーダンスの力率角と合わせて電流位相を決めます。(b)では \(i_a\) が \(e_a\) より30度遅れる条件から、コンデンサ電流で補償すべき無効分を逆算するのが決め手です。