図は、線間電圧V[V],周波数f [Hz]の中性点非接地方式の三相3線式高圧配電線路及びある需要設備の高圧地絡保護システムを簡易に示した単線図である。
高圧配電線路一相の全対地静電容量を\(C_{1}\) [F],需要設備一相の全対地静電容量を \(C_{2}\) [F]とするとき、次の(a)及び(b)に答えよ。
ただし、図示されていない負荷、線路定数及び配電用変電所の制限抵抗は無視するものとする。
上記(a)の地絡電流 \(I_{g}\) は高圧配電線路側と需要設備側に分流し、需要設備側に分流した電流は零相変流器を通過して検出される。上記のような需要設備構外の事故に対しても、零相変流器が検出する電流の大きさによっては地絡継電器が不必要に動作する場合があるので注意しなければならない。地絡電流 \(I_{g}\) が高圧配電線路側と需要設備側に分流する割合は \(C_{1}\) と \(C_{2}\) の比によって決まるものとしたとき、 \(I_{g}\) のうち需要設備の零相変流器で検出される電流の値 [mA] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、 \(V=6~600~V\), \(f=60\) Hz, \(C_{1}=2.3\) µF, \(C_{2}=0.02\) µF とする。
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要点
正解は(2)。需要設備の零相変流器(ZCT)が検出する電流は、構外事故時に需要設備内の静電容量 \(C_2\) から供給される地絡電流成分です。これを \(I_{c2}\) とすると、 \(I_{c2} = \sqrt{3} \times 2\pi f V C_2\) 値を代入します。
詳細解説
需要設備の零相変流器(ZCT)が検出する電流は、構外事故時に需要設備内の静電容量 \(C_2\) から供給される地絡電流成分です。
これを \(I_{c2}\) とすると、
\(I_{c2} = \sqrt{3} \times 2\pi f V C_2\)
値を代入します。
\(I_{c2} = \sqrt{3} \times 2\pi \times 60 \times 6600 \times 0.02 \times 10^{-6}\)
\(I_{c2} \approx 1.732 \times 377 \times 6600 \times 2 \times 10^{-8}\)
\(I_{c2} \approx 0.0862 \text{A} = 86.2 \text{mA}\)
よって、最も近い(2)の86が正解です。
高圧地絡保護では、非接地系の対地静電容量を図から読み取り、地絡電流が配電線路側と需要設備側へどう分流するかを施設条件として整理します。ZCTを通過する成分だけが需要家側継電器に見える点が決め手です。