問題文
界磁に永久磁石を用いた磁束一定の直流機で走行する車があり、上り坂で電動機運転を、下り坂では常に回生制動(直流機が発電機としてブレーキをかける運転)を行い、一定の速度(直流機が一定の回転速度)を保って走行している。
この車の駆動システムでは、直流機の電機子銅損以外の損失は小さく無視できる。電源の正極側電流,直流機内の誘導起電力などに関する記述として、誤っているものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
選択肢
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(1)
上り坂における正極側の電流は、電源から直流機へ向かって流れている。
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(2)
上り坂から下り坂に変わるとき、誘導起電力の方向が反転する。
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(3)
上り坂から下り坂に変わるとき、直流機が発生するトルクの方向が反転する。
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(4)
上り坂から下り坂に変わるとき、電源電圧を下げる制御が行われる。
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(5)
下り坂における正極側の電流は、直流機から電源へ向かって流れている。
誤っている記述は(2)である。
直流機の誘導起電力 \(E\) は、回転速度 \(N\) と磁束 \(\phi\) によって決まり、\(E = K \phi N\) で表される。
車が前進している限り回転方向は同じであり、永久磁石を用いているため磁束の方向も一定である。したがって、誘導起電力の方向は上り坂(電動機運転)でも下り坂(回生制動・発電機運転)でも変わらない。
回生制動時は、誘導起電力が端子電圧よりも高くなる(あるいは制御により端子電圧を下げる)ことで電流の向きが逆転し、トルクの向きが反転してブレーキとして作用する。