三相3線式の高圧電路に300kW, 遅れ力率 0.6の三相負荷が接続されている。この負荷と並列に進相コンデンサ設備を接続して力率改善を行うものとする。進相コンデンサ設備は図に示すように直列リアクトル付三相コンデンサとし、直列リアクトルSRのリアクタンス \(X_L\) [\(\Omega\)]は、三相コンデンサ SCのリアクタンス \(X_C\) [\(\Omega\)]の6%とするとき、次の(a)及び(b)の問に答えよ。
ただし、高圧電路の線間電圧は6600V とし、無効電力によって電圧は変動しないものとする。
進相コンデンサ設備を負荷と並列に接続し、力率を遅れ 0.6 から遅れ 0.8 に改善した。このとき、この設備の三相コンデンサ SCの容量の値 [kvar] として、最も近いものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
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要点
正解は(3)。この \(Q_{net}\) は、直列リアクトルを含んだ設備全体としての容量です。求めたいのはコンデンサ単体(SC)の容量 \(Q_{SC}\) です。電圧の関係と同様に、無効電力は電圧の二乗に比例し、インピーダンスに反比例します。
詳細解説
SC容量の計算
まず、力率改善に必要な正味の無効電力 \(Q_{net}\) を求めます。
負荷電力 \(P = 300\) kW
改善前(\(\cos\theta_1=0.6\))の無効電力 \(Q_1 = P \tan\theta_1 = 300 \times \frac{0.8}{0.6} = 400\) kvar
改善後(\(\cos\theta_2=0.8\))の無効電力 \(Q_2 = P \tan\theta_2 = 300 \times \frac{0.6}{0.8} = 225\) kvar
必要な設備容量 \(Q_{net} = Q_1 - Q_2 = 400 - 225 = 175\) kvar
この \(Q_{net}\) は、直列リアクトルを含んだ設備全体としての容量です。
求めたいのはコンデンサ単体(SC)の容量 \(Q_{SC}\) です。
電圧の関係と同様に、無効電力は電圧の二乗に比例し、インピーダンスに反比例します。
\[ Q_{net} = \dfrac{V^2}{X_C - X_L} = \dfrac{V^2}{0.94X_C} \]
\[ Q_{SC} = \dfrac{V_C^2}{X_C} = \dfrac{(V/0.94)^2}{X_C} = \dfrac{V^2}{0.94^2 X_C} \]
ここで、比率を考えると、\(Q_{SC}\) と \(Q_{net}\) の関係は以下のようになります。
\[ Q_{SC} = Q_{net} \times \dfrac{1}{1 - 0.06} = \dfrac{175}{0.94} \approx 186.17 \text{ [kvar]} \]
(あるいは、\(Q_{net} = Q_{SC} - Q_{SR} = Q_{SC} - 0.06Q_{SC} = 0.94Q_{SC}\) より \(Q_{SC} = 175/0.94\))
よって、最も近い (3) が正解です。
高圧電路に施設する進相コンデンサ設備では、直列リアクトルを含めた合成リアクタンスと、コンデンサ単体の端子電圧を分けるのが決め手です。力率改善後の無効電力は、設備全体の容量として求めた後、リアクトル6%分を考慮してSC容量へ換算します。