問題文
開放電圧が \(V\) [V] で出力抵抗が十分に低い直流電圧源と、インダクタンスが \(L\) [H] のコイルが与えられ、抵抗 \(R\) [\(\Omega\)] が図1のようにスイッチSを介して接続されている。時刻 \(t=0\) でスイッチSを閉じ、コイルの電流 \(i_L\) [A] の時間に対する変化を計測して、波形として表す。\(R=1 \Omega\) としたところ、波形が図2であったとする。\(R=2 \Omega\) であればどのような波形となるか、波形の変化を最も適切に表すものを次の(1)~(5)のうちから一つ選べ。
ただし、選択肢の図中の点線は図2と同じ波形を表し、実線は \(R=2 \Omega\) のときの波形を表している。
(図2: \(t=0\) から立ち上がり、\(t=1\) で約 \(2\) A、\(t\) が十分経つと \(3\) A に収束する曲線)
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選択肢
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(4)
実線が点線より速く立ち上がり、半分の値 (1.5A) で収束
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(5)
実線が点線より遅く立ち上がり、半分の値 (1.5A) で収束
RL直列回路の過渡応答において、定常電流 \(I\) と時定数 \(\tau\) は以下で表される。
\(I = \dfrac{V}{R}\), \(\tau = \dfrac{L}{R}\)
初期状態 (\(R=1\)): 定常電流 \(I_1 = V/1 = V\). 図より \(I_1 = 3\) A なので \(V=3\) V。
変更後 (\(R=2\)):
1. **定常電流**: \(I_2 = V/R = 3/2 = 1.5\) A。最終値は半分になる。
2. **時定数**: \(\tau_2 = L/2\)。抵抗が2倍になったため、時定数は \(1/2\) になる。時定数が小さいほど応答は速い(速く定常値に近づく)。
3. **初期の傾き**: \(di/dt|_{t=0} = V/L\)。\(V, L\) は不変なので、立ち上がりの傾きは変わらない。
グラフの特徴として、「最終値が1.5A(点線の半分)」かつ「立ち上がりが急峻(時定数が小さい)」なものを選ぶ。
点線(\(R=1\))は3Aに向かってゆっくり上昇する。実線(\(R=2\))は初期の傾きは同じだが、目指すゴールが1.5Aと低いため、相対的に早く定常状態に達する(急激に曲がる)形になる。
選択肢(4)がこの特徴(1.5Aで収束し、点線よりも内側を通って素早く一定値になる)を示している。