問題文
こう長2〔km〕の交流三相3線式の高圧配電線路があり、その端末に受電電圧6500〔V〕, 遅れ力率80[%]で消費電力400〔kW〕の三相負荷が接続されている。
いま、この三相負荷を力率100[%]で消費電力400〔kW〕のものに切り替えたうえで、受電電圧を6500〔V〕に保つ。高圧配電線路での電圧降下は、三相負荷を切り替える前と比べて何倍になるか、最も近いのは次のうちどれか。
ただし、高圧配電線路の1線当たりの線路定数は、抵抗が0.3〔\(\Omega/\text{km}\)〕, 誘導性リアクタンスが0.4〔\(\Omega/\text{km}\)〕とする。また、送電端電圧と受電端電圧との相差角は小さいものとする。
選択肢
電圧降下の近似式 \(\Delta V \approx \sqrt{3} I (R \cos \theta + X \sin \theta)\) を用いる。
ここで \(I = \dfrac{P}{\sqrt{3} V \cos \theta}\) であるから、代入して
\[
\Delta V \approx \dfrac{P}{V} (R + X \tan \theta)
\]
線路全長は 2 km なので、全抵抗 \(R = 0.3 \times 2 = 0.6\)〔\(\Omega\)〕、全リアクタンス \(X = 0.4 \times 2 = 0.8\)〔\(\Omega\)〕である。
\(P=400\) kW, \(V=6500\) V は共通であるため、カッコ内の値 \((R + X \tan \theta)\) の比を求めればよい。
**ケース1(力率80%)**:
\(\cos \theta_1 = 0.8\) より \(\sin \theta_1 = 0.6\)、\(\tan \theta_1 = 0.75\)。
要素1 \(= 0.6 + 0.8 \times 0.75 = 0.6 + 0.6 = 1.2\)
**ケース2(力率100%)**:
\(\cos \theta_2 = 1.0\) より \(\sin \theta_2 = 0\)、\(\tan \theta_2 = 0\)。
要素2 \(= 0.6 + 0.8 \times 0 = 0.6\)
**比率**:
\(\dfrac{\text{要素2}}{\text{要素1}} = \dfrac{0.6}{1.2} = 0.5\)
よって、電圧降下は 0.5倍 になる。