要点
正解は(5)。始動時は逆起電力がないことを起点に、電流や損失の関係を追う問題です。正しいものではなく誤りを選ぶ設問かどうかも先に確認します。誤り探しは、正しそうな肢を探すより、条件とずれる肢を一つずつ切る方が安定します。
詳細解説
この問題の論点は、直流電動機の種類ごとの特徴を区別したうえで、直巻電動機のトルク特性を正確に言えるかどうかです。選択肢 (1) から (4) は、直巻、分巻、複巻の基本的な説明として妥当ですが、(5) だけがトルクと電流の関係を誤っています。
直巻電動機では、界磁巻線が電機子回路と直列に入っているため、界磁電流は負荷電流と同じです。未飽和領域では磁束 \(\phi\) は電流 \(I\) に比例するので、
\[
\phi \propto I
\]
とみなせます。一方、電動機のトルクは
\[
T=k\phi I_{a}
\]
で与えられるので、ここに \(\phi \propto I\) を代入すると
\[
T \propto I^{2}
\]
となります。したがって、(5) の「トルクも負荷電流に比例する」という記述が誤りです。
この問題でつまずきやすいのは、界磁磁束が電流に比例することだけを見て、トルク式の \(I_{a}\) をもう一度掛けることを忘れてしまう点です。直巻電動機は始動トルクが大きいという特徴がありますが、その根拠はまさにこの二乗比例にあります。類題でも、直巻電動機は始動に強い、分巻電動機は定速度、複巻電動機は両者の性質を併せ持つ、という整理で押さえると判断しやすくなります。よって正解は (5) です。